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海老原 健一
筑波大学大学院システム情報工学研究科博士学位論文, 134 Pages, 2004/09
本論文では、格子法の気液モデルの有用性を検討し、さらに格子ボルツマン法気液モデル(HCZモデル)を、格子ボルツマン法の適用例が見られていない水平層状二相流の三次元シミュレーションへ適用した。その結果、以下のことが明らかになった。(1)HCZモデルによってシミュレーションされる二相界面が、Kelvin-Helmholtz不安定性理論を、二次元及び三次元の場合について満足することがわかった。(2)矩形断面流路中の界面成長シミュレーションにおいて、界面成長と流動状態の関係が、理論的考察によって得られるTaitelとDuklerの流動様式線図を再現できることがわかった。(3)流路幅が異なる場合の界面成長シミュレーションによって、流路幅が狭くなった時、流れの三次元性の影響が顕著となり、界面成長に必要な低密度相の流量が、理論的流動様式線図から得られる値より大きくなることが明らかとなった。(4)界面成長より複雑な界面現象を示す液滴発生シミュレーションにおいて、液滴発生とその時の流動状態の関係が、IshiiとGrolmesによって提案された実験相関式を、ほぼ再現できることがわかった。